「仏教ではこう考える」と語る若き一僧侶
カテゴリー[ 書籍メモ楽屋用 ] 2009/10/05
仏教の考え方がわかりやすく記されている!と世間では評判らしいので拝読したが・・・
『仏教ではこう考える』
釈 徹宗 著
学研新書 学習研究社 (2008/11)
「わかりやすさ」はともかく、著者が好んでよりどころにするやたらな「機能主義的記述」が痛い。
論理上、仏教を機能主義的に説くことは理にかなっているのかもしれないが、方便から鑑みると、これは無理に「万人に通じる科学的記述」を模しているだけにも見え、本来の「各人の心に即した教え」とはかけ離れている部分がある。
えーと、何を言いたいかというと、「お年寄りの期待を裏切る記述は痛いのでやめて」です。
従前の宗教観を裏切るドライな記述はするべきではない局面もあるだろうが。という苦情めいたものが記憶の深奥から沸き上がってきます。まあ、これすら無明のなせる痛々しい感覚なのではございますが。
で、拝読するに、『この僧侶は、仏教的にこう考える』というか、これは浄土宗の一僧侶(世襲の若手: 1961年生まれ)さんの見解であって、「これが仏教」と思われてもなんか違うぞという違和感がそこここに。
立場や流儀の異なる各宗教・宗派にアンケート回答してもらって比較すると興深い違いがいろいろあるだろうに、
『 死刑についてアンケートに答えない宗教団体の話 』
でも、そこははしょって本書はこの一僧侶の著述を『仏教ではこう考える』と銘打ってしまった。
このへんは、販売戦略上仕方ない部分なのかもしれないけれど、まあ、残念は残念。
で、読んでいくとねぇ。
「いまどきの僧侶」という、歴史上特異なポジションの補強のために、無理して頑張って理屈こねて同業者ネットの中ではこのようなタコツボ的自己正当化の試行錯誤を発酵させてなんとかしのいでいるんだよぉぉぉぉという健気さしたたりまくりというか・・・
当座使える汎用のトリビア集というか、信者個々にマッチさせるべきオーダーメイドのノウハウではない。
オーダーメイドのノウハウは、別途「仏教臨床心理学」系の書籍や経験者にあたってみるべきだろう。実行されるべき「個々人に合わせた方便」路線とは、当該書はかけ離れている。
・・・死んだじいちゃんを引き合いに出して諧謔調の反省のポーズとりをしてみるとかさ、・・・なんか若々しく痛いよなぁ。
科学に佇む読書メーター
[カテゴリ 書籍メモ楽屋用] : 2009年10月05日
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