インテリジェンス人生相談とスキゾ世代
カテゴリー[ 書籍メモ楽屋用 ] 2009/09/17
時代環境が異なる中育った目に、縁故規範だの、贈与だの、感得できるだろうか?![◆インテリジェンス人生相談 [個人編]](http://images-jp.amazon.com/images/P/4594059279.09.MZZZZZZZ.jpg)
![◆インテリジェンス人生相談 [社会編]](http://images-jp.amazon.com/images/P/4594059287.09.MZZZZZZZ.jpg)
『インテリジェンス人生相談 [個人編]』 佐藤 優 (著) 扶桑社 (2009/4/25)
『インテリジェンス人生相談 [社会編]』 佐藤 優 (著) 扶桑社 (2009/4/25)
「佐藤優の目はくまぐすっぽい。あたりまえに知恵と下ネタが満載すぐる。」
二重の意味で、南方熊楠の目をしている。
眼光、眼力が、南方系の濃いマナコが、視覚的に似ている。
視野、手腕が、大枠で見た表現戦略が、生き様が似ている。
猥雑ではあれど、機知と戦略に富み、情熱に浮かされて無謀な「正論」を貫徹させんと権力に体当たりする。
『インテリジェンス人生相談 [社会編]』 p8
日本における、資本主義の矛盾を解決するための処方箋は恐らく2つしかない。一つは、新自由主義的競争で勝利した者が、自らの富の一部を自発的に社会的弱者に提供する「贈与」だ。もう一つは、知人間、友人間の「相互扶助」だ。「ホームレスになった友人を救いたい」という心情をもつ人が多くなることで、日本社会は強化される。
この社会編で言及された「2つの処方箋」。
一つの「贈与」は、当方のエントリで言えば
で言及した”富の偏在に対する解毒剤”的な社会規範の醸成だろう。
いま一つの「相互扶助」は、当方の用語では< 縁故規範>、宮台真司のタームでは<生活世界>的なお話となる。
佐藤優が寄って立つ「贈与」と「相互扶助」の裏打ちは、”神と縁故規範を結ぶ”一神教系キリスト教によってがっつりなされている。教会の活用方法など救いの求め方に教導の規範が生きている上、実際に彼は相談者に「贈与」し、「相互扶助」の道を拓かせている。実行しているその熱さがすごい。
... 以下つづき...
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で、この佐藤優もはたまた宮台真司も、20世紀少年世代というか、 スキゾ世代(1959生)にちょうど該当するわけなんだけれども、ふと疑問に思うのだが、たまたまこのスキゾ世代には、「贈与を奨励する社会的アーキテクチャ」と「縁故規範の復権」が有効な解決策に見えるけれども、ほかの世代からすれば、その見解には収束しないのではないか。と。
異なる社会観・社会規範を刷り込まれた世代から見ると、スキゾ世代が有効だとみなす方策は、そうは見えないのではないか。そういうことはないか?

ひとまわり上の世代になる笠井潔は、現在のセカイ系や例外状態の到来は、人類史上初めてのことではなく過去にもめぐり合わせで発生したことがあることを指摘している。
笠井潔「セカイ系と例外状態」
所収:限界小説研究会 編『社会は存在しない セカイ系文化論』 南雲堂 (2009/7/3)
奇しくも笠井潔と同じ年代(1948生)のレイ・カーツワイルは、Web2.0ならぬ人体2.0以降を想定し、いまの道徳観が通用しない次世代を夢想している。
それらよりはるかに年代が新しくなる後世の、セカイ系だのデジタルネイティブだのになると、もはやそれらの差さえ感得できない、というか鑑識眼が育つ状況がありえないというか、まあ、実際問題、現に「セカイ系以前の大きな物語世界がどのようなモノだったのか、感得できなくなりつつある」という危惧が社会学方面の学徒の間でささやかれたりしているわけだが・・・。
そんな、時代環境が異なる中育った目に、縁故規範だの、贈与だの、感得できるだろうか?
自分はスキゾ世代だが、縁故規範や贈与規範のない破綻の中で育った。
それがゆえの歪んだ疑念かもしれないが。

[カテゴリ 書籍メモ楽屋用] : 2009年09月17日
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