子どもの脳と仮想世界を語る仮想大人

カテゴリー[ 書籍メモ楽屋用 ] 2008/06/09

◆左表紙

 『子どもの脳と仮想世界 教室から見えるデジタルっ子の今』 戸塚 滝登著 岩波書店 (2008/02)
 ゲームやネットの仮想世界が、子どもの心に及ぼす影響

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 えーと、いろんなきょうび沙汰されている「ゲーム怖いよ脳こんななるよ」言説をごちゃっと粘土玉にして、その粘土を論理性よりは感性で「ほらこんな絵が描けるんだよ」とそれっぽく粘土板の上に広げて本の形にして焼いてみましたぁ。みたいな。

 著者の思考自体が仮構にひたっている。
 著者の原風景(汽水域で死んだ幼なじみという恐怖体験)に酔っている。あかん。

 基本的に、著者の”教育体験”からくる直感が先にあり、それの周りに防波堤だかかまくらか、といった体で、ごちゃごちゃと事例や理論を寄せ集めて要塞を作っているが、基本的にこの思考は科学ではない。

... 以下つづき...

...
 戯画化しすぎ。旧世代の不安におもねて拘泥するだけ。印象の押しつけとこじつけであり、解析になってない・・・

 えーと、フィニアス・ケイジじゃなくて、フィニアス・ゲイジね。

 ほかダマジオだのなんだの、(流行りの)脳神経の知見を開陳しているつもりらしいのだが、いかんせん「ト」というか、科学が市井レベルにまでに墜ちるとこんななってしまうのか〜 てな腰くだけの好例になってしまっている。

 いや、なんでこの本をスルーしなかったかというと、2008年になってもこのような新刊が、しかも「岩波書店」から出てしまうという事実に、けっこう張り手を喰らったような感覚なんですが。(繰り言やさんの正高のレベルにも達していない)

 もっと基本的な大枠で、脳という即物的な話さえ超えた大枠で、良し悪しさえ相対化した変化解析を旨とした、ヒト行動と文化そして アーキテクチャ方面から、事態を踏まえる方がスマートだと思うぞ。
 ・どのような解決方法の物語枠が刷り込まれるか。
  バーチャルに限ったことではない。メディア上のマスの物語枠が大きくシフトしている。
 → 『 ニートと物語 ゲームと世界観 』
 ・外部から、現地の生活に不適切な物語枠が供給される。
 → 『 人心も物語も攪乱する都会 』
 ・旧世代が持つ物語からは不適切に見えても、新世代は新しく適応した物語で生きていく。
 → 『 ポスト・ヒューマン誕生というテクノロジー礼賛の物語 』

 良し悪しさえ相対化した変化解析をせよ。
 不安をなんとかするというセコイ方向に拘泥するな。
 でないと、該当世代たちに食い込めないまま、ただの年寄りの繰り言に終始してしまう。


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