デプス、聖おにいさん、チベット動乱

カテゴリー[ 書籍メモ楽屋用 ] 2008/03/19

◆左表紙

 『聖☆おにいさん (1)』
 モーニングKC  (コミック)
 中村 光 (著)
 講談社 (2008/1/23)

 [ Amazon ] [bk1]


 当該書の評判は、アマゾンの書評欄『聖☆おにいさん (1)』をチェックするのが手っ取り早い。
 キリスト教と仏教ネタの脱力まったりギャグ漫画。
 抱腹絶倒だと評する者が多い。

 が。
 この本を読んで、面白かったのは
  ・駅のプラットホームの行列
  ・やくざのにいさん
の2箇所だけだったというバカがうちにいる。 そこ宗教関係ないやん!

... 以下つづき...

...
 うちとこにいる誰かさんは、聖痕も入滅も鳥葬も知らないんだってよ。
 マジかよ。
 宗教知らないんだとさ。

 宗教無知、宗教音痴。

●異文化把握の欠如

 このたびの チベット動乱を、琉球やアイヌと同じケースだとして論じている者を見かけた。そういう論法も、チベット仏教のなんたるかを知っての上で、戦略としてやるのであれば上等だが、全然。宗教などどこ吹く風で、沖縄やアイヌの話をぶちあげる口実に、単に「征服・部族」つながりレベルでチベット動乱をつまみにしているだけではなかったか。

 異文化想像力の欠如。

 異なるありように対しての想像力の欠如。

 ひとくくりにすることに対して抵抗を感じない無知さ。

 「意味への感受性の低下は、すなわち多様性や共生への感受性の低下。」

 ネットは、異文化の存在を体得しにくい世界だ。感受性を低下させる。
 まずもって、ネットにアクセスするという時点ですでに、大幅に価値観多様性は削減されている。
 モニタに表示されるのは、すでに剪定されてしまった情報だ。アノマリーさが隠蔽される。
 さらには、異なる価値観の隙を突く体験や指摘も感得しづらい。
 まっとうな論者は、異文化想像力が欠如したザコを相手しにのこのこネットには出てこない。ネットに吹き荒れるのは、雑魚主導の言説。哀れだが、実際そういう現実がある。
 雑魚は、自分にふさわしいレベルでわかる範囲だけ解釈し、ふさわしいレベルをまるだしに言動して悦に入る。自分がどのレベルにいるのかという現実を知らしめるような親切な卓越者は降臨しはしないし、訓を垂れられてもまず理解にいたるほどの知識・経験の蓄積がない。
 バックグラウンドの把握などどこ吹く風、知ったばかりの「事実」に舞い上がり、自分の正体がどうばれているのかを省みる刹那もないまま、見境なくカキコに走る。

もしかすると、一部の層では・・・
●「自分よりレベルが下の言説」の瑕疵はよく見えるが、「自分より上のレベルのレトリック」は見抜けない
●勝ち誇るときは遠慮なく祭をやるが、やりこめられたときは謝罪をしない、無視して逃げるだけ
ので、
 むやみなバッシング行動だけがエスカレートしていく
もしくは
 バッシング行動ばかりを行うようにネットによって馴致されていく
という流れに普通に呑み込まれているのかもしれない。


●エンジョイアビリティの欠如

 常識ではないのか。
 『聖☆おにいさん (1)』程度の宗教ネタがわからない層が多いとは。

 これが→ 「エンジョイアビリティの欠如」 の実例として使える可能性はどうだろう。ちょっと違うか。
 メディアリテラシーの極貧さ、みたいなもんか。

 前段(異文化把握の欠如)の話とつなげるならば、前提とされる知識を共有していない者は、「卓越した論議」を目の前にしても、宗教を知らずに『聖☆おにいさん (1)』を読む者のような、たいへん貧弱なリアクション・理解しか、できない。自分が何を目にしているかも、気付けないだろう。残念ながら。

●聖☆モハメッドはありえない

 まーねー。
 『聖☆おにいさん (1)』 ネタに戻すけれど、これは講談社、どこまで抑えたのか。どこを境界線にしたのか。そのあたりの基準をうかがってみたい。
 なぜなら、まっさきに念頭に浮かぶのは、これが「イスラムネタなら即刻処刑」だから。
 イエっさんネタでもヤバいときはヤバい。国境関係ない。
 で、どこを境界線として、どこまでなら安パイだとして、次2巻までをも書かせようとしているのか。
 編集側が、書き手に規制をかけてものすごい浅いレベルに抑えているから、こんな浅い内容になっているのか、抑えるまでもなく書き手がそもそも浅いだけなのか。(そもそもの線のほうが濃厚かな)
 そのへんどこぞに詳しい経緯が述べられている資料があるなら、拝見したい。

 宗教なめたらあかん。




 明らかに、自分にはわからない高レベルのレトリックを駆使した会話がネット上には存在する。
 そのわからなささえ、感得できない人間も、ネット上には存在する。

[カテゴリ 書籍メモ楽屋用] : 2008年03月19日 
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