吉野川流域の「首切れ馬」伝説と貨幣文化/贈与文化

カテゴリー[ 書籍メモ楽屋用 ] 2007/02/09

◆90表紙
佐々木高弘
「記憶する〈場所〉 - 吉野川流域の「首切れ馬」伝説をめぐって」


(所収:●本ミニ 「記憶する民俗社会」


過去、なんだかんだこれに言及したエントリについて、メモ書き。

●贈与関係の社会に貨幣制度が持ち込まれ、そのはざまの”特定の街路”に「首のない馬」が走る。
 見事な事例の検出&美しさが目からウロコもの。
 → 『海のカメ、河の鼈、陸の亀、亀卜』
  民俗習俗が撹乱された現場に、妖怪や異形の動物が張り付いた例

●首のない馬の姿をしたモノノケが、ほかならぬ「境界」を走り抜ける。
 その舞台には、「東桑上」や「桑島」などの養蚕にまつわる地名が登場する。
 そして古来よりよく知られている蚕と馬の密接な関係…。
 → 『幻のハンマー:牛殺しの木とサンカ、セブリ』  境界の「桑の木」

●一昔前には「首切れ馬伝説」など確かに貨幣制度は撹乱を呼び、ケガレや怪異を巻き込んでいた。
 旧来の生活においては、何にも使えないはずのただの「記号物体」が、人間どうしのお約束の中で、由来もなく突然「価値」を帯び強力な意味を行使するように
なった、そんな妖しい物体、それが、「金銭」。
 素材自体のありようにおいてはありえない強い価値を帯びたもの、オフダやお経、式神の形代、クラの贈与アイテム、マナ、それらの系列につらなる「力」を帯
びたものが、「金銭」。
 金くずが、「金銭」とみなされた時点で、それはもうすでに「呪物/じゅぶつ」なのであって。
 → 『なぜ日本人はお賽銭を投げるの?』
   貨幣は、磁石のようにケガレを吸い付ける道具?

●貨幣制度と経済学と妖怪
 → 『宗教と社会、近景編:お寺の経済学』

●構造がつむぎだす世界観と共同体の共有観念
 → 『神話構造 民話類型』

●西欧的価値観と貨幣文化の流入というダブルパンチが世界を変えた
 → 『西欧的価値観と貨幣文化の流入 江戸の妖怪革命』

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