カテゴリー[ 科学メモ資料用 ]
2012/01/28
『ネット・バカ』と『脳の中の身体地図』と『道具を使うサル』 について軽く流し書き。


ニコラス・カー著
青土社 (2010/7/23)
英文学出身のライターによる著作。
これがまた、心理学者臭でも脳科学者臭でもサイエンスライター臭でもない、なんというか、独特な文系によるサイエンスライティングというか、まあとにかく「引用が多い」。古今の文学とか。他の科学本比でね。
ヒト脳ハードは先史時代のままだが、生育過程なり日常生活なりでメディアによって認知能力はキャナライズされ、思考能力も察知能力も大きく影響を受けるのだと。まあ、一神教圏によくある『「ヒト個人は環境影響ではなく個人の能力の発揮で形成される」観念が壊されるよ大変だよ』的な持って行き方パターンに含まれるものであろうけれど。
文化圏が違うので全然関係ないだろうけど、著者は34年組。
人類は言語獲得以来、長いこと「話し言葉」の世界でやってきていた。それが、人類界に「書」が登場するに及んで、意識を記号の羅列に集中し、論理をつぶさに追い、文脈を深める思考を獲得した。その深き確かな思考の世界が、いまや、常に刷新され中断し撹乱される浅いネット思考に侵食されている・・・
文系さんの手で、かような主張本が著されるってぇと、かえってはために「単なる文系の妬み本」みたいなアリサマになってて、なんぼかなまぬるーい気持ち悪さが読後に残る。
ネットによる思考撹乱についてはマジに調査すれば厳にデータは出るであろうので、(ゲーム脳学者や正高信男ではなく)誰か理系さんがまとめ出してくれるといいんだが。
なお、p53で、入來氏の実験がほかのとごっちゃにされていたのが気にかかった。
p53
脳がテクノロジーにどれほど深く影響されるかは、霊長類などの動物に、単純な道具の使用を教える実験から明らかになっている。たとえば、 手の届かないところにある食べ物を取るために、熊手とペンチを使うようサルに教えたことがあった。訓練中のサルの神経活動を観察していたところ、視覚野と、道具をつかむ手のコントロールに関わる運動野に、かなりの成長が見られた。だが、もっと驚きだったのは次のことである。熊手とペンチが、サルの脳のなかの手に関する部位に、実際に組み込まれてしまったのだ。サルの脳にとってこれらの道具は、身体の一部分と見なされるものになったのである。この実験を行なった研究者たちは、「あたかもペンチが手の指であるかのように」猿の脳が活動しはじめたと報告している。
レファレンス:[ M.A. Umilta, I. Escola, I. Instkirveli, et al. “When Pliers Become Fingers in the Monkey Mocor System," Proceedings of the National Academy of Sciences, 105, no. 6 (February 12, 2008) : 2209-13. See also Angelo Maravita and Atsushi Iriki,“Tools for the Body (Schema)," Trends in Cognitive Science, 8 ,no. 2 (February 2004): 79-86.
これ、
熊手とペンチじゃなくて、
・熊手を使った入來氏による実験
と、
・ペンチを用いた Umilta らによる実験
があって、それから身体感覚拡張の話をひいているわけで、だからたぶん「熊手 and ペンチ」であった原文を「熊手 や ペンチ」と訳すべきところをうっかり「熊手 と ペンチ」にしちゃったんじゃないかな。
被験者のサルは(いや、研究者は)熊手とペンチを同時に使いこなす実験は、この場合、行なってないと思うんだ。


サンドラ&マシュー・ブレイクスリー
インターシフト (2009/04)
こちらは、理研の入來(いりき)研究室への取材レポートも含む、ヒト体性感覚についてのスゴ本。
(入來つながりで紹介するだけであって、ネット使用についての話とは関係ない。)
別所にはこのような感想文を投げた。
濃いねー。ちゃんと理研の入來さんとこも取材しにきてるし。
サンドラ・ブレイクスリーはラマチャンドランと組んでベストセラー 『脳の中の幽霊』 をものしたサイエンスライター。当然ラマちゃんも登場する。
ラマちゃんつながりの東洋観も炸裂。
『自己は「錯覚の塊にすぎない」のだろうか? ボディ・マップの科学によれば(ついでに言うと東洋の宗教も大半が同じ見方をしているのだが)さまざまな面から、答えはイエスである。』
So it goes.
この本にしても、一神教圏にありがちな「どええっ!自意識が幻ってマジすか!?」的な反応を予想した上での書きようがフロントに出ているわけで、まあ、文化っていろいろとめんどくさいっす。
そんな「しょうがない」部分をさしおいても、本書はじゅうぶんお代に見合うほどのよくできた濃さに仕上がっている。
もっとカッコいい装丁にしてあげても良かったろうにね。

入來氏が行った
「拘束したサルに熊手を使わせ続けるとサルの脳が熊手を自分の腕あつかいしはじめたぞ」実験については、かなり論文調で読んで楽しいものではないけれど、お堅い単著が一冊出ている。

入来篤史(入來篤史)著
神経心理学コレクション 医学書院 2004/07
ほかに、理研の脳科学総合研究センターが出した
『脳研究の最前線(上巻)』ブルーバックス でも研究内容を拝読できるとのこと。ブルーバックスのほうが、気軽に手に取るには手頃だろう。

理研脳科学総合研究センター
象徴概念発達研究チーム シニア・チームリーダー 入來篤史 
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カテゴリー[ 書籍メモ楽屋用 ]
2012/01/25

中村 太郎著
日刊工業新聞社 (2011/11)
あくまでメカトロニクス、そしてバイオミメティクスのご本。
教科書的にお固い記述とひかえめな数式が炸裂で、読み物としてはかなりそっけない。
そのあたりさえ気にならなければ、
ゴム人工筋肉、バルーン型アクチュエータ、高分子人工筋肉、形状記憶合金タイプ、磁性流体アクチュエータ、腸管型蠕動ロボットなどなど、ロボットマニア、SF書き、サイボーグフェチ、モビルスーツ萌え、そして中二病患者さんたちにとても楽しんでもらえそうな「妄想の原石」満載!

カラーグラビアで機器の写真をバシバシ載せてくれれば、良い購読層さんたちが拾えただろうに、日刊工業新聞社的には、こういうスタンスで出すのが限度だったのかな?
ちょっともったいないかも。
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カテゴリー[ 書籍メモ楽屋用 ]
2012/01/25

エイムック エイ出版社
初心者にとても親切。猫好きにとても眼福。
ゆるふわキュートな猫写真が満載です。しかも、そんな写真をうまく撮る方法とコツが豊富に載っています。自分で撮影できるんです。ネコさえいれば。
奨励される撮り方は、絞り開放で周囲をぼかし、光を多めに白を飛ばしてしまう感じ(「やわらかい光」と表現されている)の作品が多い。
はために「それって**は七癖隠すってあれじゃん」とか思ってしまうけれど、実際手軽に美しく見せるにはこれ王道の撮影法。
絞りの使い方、光のとらえ方、アングル、構図、シャッタースピード。
逆光での撮影のコツ、ガラステーブルの下から撮る猫の肉球、爆睡ネコのクローズアップ、白猫黒猫撮影上の露出のコツ・・・
ひととおり指南が終われば、巻末には「猫グッズ」「全国の猫カフェ一覧」「お勧めカメラ機種」「カメラ用語辞典」とか完備していて商売上手。
編集やレイアウトは軽やかにフェミニン。
とりあえず、豊富に収載されている数々の「ステキなネコ写真」を見ているだけでも、じゅうぶんなごみまくりのオトクな一冊。

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カテゴリー[ 科学メモ資料用 ]
2012/01/20
NHK札幌 北海道クローズアップ「泊村“福島後”の苦悩」 2012/01/20放送
■ 道内の電力の4割は泊原発で賄われる。多い時は2500人以上が働く。道内最大級の働き口。
泊村の人口は1900人。
20年以上、巨額の原発マネーの恩恵を受けてきた。
■ 巨額の原発マネーの恩恵を受けてきた泊村。
村民向けのケーブルテレビ局も完備。
政府の方針転換「40年廃炉」で「泊原発も残り18年で1号機から順に廃炉に!」
村は原発なき未来図を描きうるのか!?
■ 村は原発なき未来図を描きうるのか!?
「あと18年しかないと考えるのか、残り18年しかないと考えるのか」
「もしかしたら、原発の終了とともに、泊村も終了という形になるのか」
村の雇用や経済は、後戻り不能なほどの原発依存状態。
■ 原発依存の泊村。
定期検査で一時停止&再稼働のめどが立たない現状だが、すでに地元泊村の経済に深刻な影響。
客の8割が原発の作業員という食堂や、原発の下請け会社…ひたすら再稼働待ち。
廃炉が決まればやってはいけない。
■ 過疎から脱却しようともがき続けた結果の、原発依存の泊村。
建設計画が浮上したのは45年前。
当時、百年にわたり泊村を支えてきた炭鉱が閉山(1964年)、8000人あった人口が2年で半減。
…原発建設計画が起死回生のチャンスに見えた。

■ 原発建設受け入れは、炭鉱閉山後の村を維持する上で最善の選択であった(と答える、当時の受け入れに動いた住民)。
原発マネーで潤う地元の中、反対派は声を上げづらい状態に陥っていく。
■ 泊原発建設から22年。
泊村(現人口1900人)に流れ込んだ原発マネーは560億円。
一食100円で高齢者に配達される福祉お弁当!
村でのお買い物は、村が補填する割引券で3割引!
それでも徐々に過疎化は進行。
■ 過疎化が進行する泊村。
村に留まる今年の新成人はわずか6名。
原発と公務員以外、地元の就職先はないに等しい。
「お金があっても人がいなくなる」
フクシマ後、札幌の息子に「村に戻る気はない」と言われ原発依存に疑問を抱く老人。
■ 「少しでも村に人を呼び込みたい」と商工会の青年たちが始めたのが、「長ぐつアイスホッケー」
■ 村長選立候補者は「原発との共存」を訴える現職一人だけ。
無投票当選。
論議を戦わせる場の不在。
共存支援者曰く、「地場産業?村も一生懸命やってる。けども、地形や立地で、できないものはできねぇのよ!」
■ 石炭から原子力へ。国策とともに歩んできた村。
泊原発が運転を始めて22年。
北海道で消費される電力は1.7倍にふくれあがっている。
炭鉱で発生した町。
前は荒海、後ろは断崖と荒野。
炭鉱も原発もなかったら、そもそもそこには集落は発生していなかったんじゃないか、状態の土地やん。
(泊の住民では何か
有病率高い って話なかったっけか)
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カテゴリー[ 疑問質問 ]
2012/01/20
●こういう読書感想文を書いて・・・
「WWF (世界自然保護基金) のアピール本だった。
温暖化についての軽い概説があって、世界各国からの報告が(たくさん)並んでいて、締めに国際交渉や政策についてのまとめがあって。
で、メインは世界各国からの報告なんだけども、その報告が2006年のだったり、2011年だったりとかなりバラバラ。恣意的にひどい状況の箇所だけ集めたんじゃないかと勘ぐられてもしょうがない。
どっちにしろ「一つの組織が特定の目的のために編んだ」本なので、それなりの受け取り方で扱うしかない。
しかしアマゾンの書評が5つ星だらけなのは…ステマ?w」
●読書感想文の送信した後、ビックリしてつぶやいたのがコレ
「なんかほんとにステマだったみたいだw
レビュアー全員初書評でぜんぶ5つ星w
さすが世界自然保護基金w→ 『地球温暖化の目撃者』 」
●はい、問題の本はこれ。
小西雅子 (著) 毎日新聞社 (2011/10/22)
アマゾンでは著者名「小西雅子」だけでサラリとしていますが、本書には
「WWFジャパン 気候変動・エネルギー プロジェクトリーダー 小西雅子 編著」と表紙に明記あります。
アマゾンで立派に5つ星を獲得している大人気本!
なのに、読後の印象が「なんだかなー」で変だなとは思ったけど、「レビュアー全員初書評でぜんぶ5つ星」という状態になっているとは驚いた。
現時点で、レビューが6件。
2 人中、2人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
★★★★★ レポートに迫力があります, 2011/11/26
By うのしん
2 人中、2人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
★★★★★ 地球温暖化の事実を知る、第一歩になる一冊。, 2011/11/23
By 一会社員
2 人中、2人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
★★★★★ 今を生きる私たちの責任, 2011/11/19
By かぴばら
3 人中、2人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
★★★★★ 改めて「温暖化はすでに起こっている」と認識させてくれる本, 2011/11/17
By 大学生
3 人中、2人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
★★★★★ 温暖化がビジュアルでわかる唯一の本!, 2011/11/15
By Milkey
2 人中、1人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
★★★★★ とても読みやすい温暖化の影響の本, 2011/11/14
By ハムスター
ぜんぶ5つ星。
全員、レビューするのはこの本が初めて。
そして、全員が、レビューしたのはこの本だけだという。
レビューの日付は、出版後4〜6週目の2週間に集中。
えーと、こういうレビューのつき方は、アマゾンでは普通なの?
これは、ステマなのかな。ステルス・マーケティングには該当しないのかな。
少なくとも、組織票だよね。
ヤラセとか、サクラとかと言えばいいのかな。
世界自然保護基金って、こんなことしなきゃなんないような状況にあるのかな。
なんだろう、単なる「とりまきさんたちの善意」が奇妙な偶然を醸しだしただけなのかな。
いっぽうで、2009年に出ている小西雅子さんの単著(編著ではない)
『地球温暖化の最前線 (岩波ジュニア新書) 』 は、レビューが一個もついていない裸の状態だったりしてる。
うーん、なんか不思議だ。
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